耐震等級をどう見るか

基礎知識

地震大国の日本。

ここ最近でも数年おきに大きな地震が起きています。

家を建てる際に必ず出てくるワードのひとつ、「耐震等級」。

みなさんはどれくらい重要視していますか?

「耐震なんて必須化されてるんだから、そんなにこだわらなくていいじゃん!」

ところがどっこい、そういうわけでもないんですよね。

耐震等級の違いでなにが変わるのか、今回は僕の調べたことと知ったことをまとめていきます。

耐震性能を表す耐震等級。

基準になるのは等級1で、それ以上のものは1と比べてどれくらい強度が上がっているかというものです。

耐震等級1は

『数百年に一度の地震(震度6強~7)で倒壊・崩壊しない』

『数十年に一度程度発生する規模の地震による力(震度5強相当)に対して、損傷を生じない』

というもの。

なんだかこれだけみると等級1でも十分そうに見えますね。

でもそうはならないから、等級2・3があるのです。

では等級が上がるとどうなるか見てみましょう。

等級2…等級1の1.25倍の耐震性能がある
等級3…等級1の1.5倍の耐震性能がある

倒壊・崩壊しないのはもちろんのこと、損傷に対しても同じ倍率で強くなるわけですね!

ちなみに等級2は病院や学校などの耐震性能に相当し、等級3は消防署や警察等の防災拠点になる建物の基準に相当します。

地震は一回来て終わりではありません。

その後も余震が続きます。

損傷が少なければ早い段階で避難所から自宅に戻ることもできます。

大き目な余震が続くと建物のダメージが蓄積していきます。

一回目は耐えられたとしても何回も揺れているうちに崩れるかも…なんて思っていると安心して自宅で過ごせないですよね。

等級が上がるとそのあたりの心配が少し緩和されるということです。

簡単にまとめると

というイメージかと思います!

たまにみかける耐震等級3「相当」。

この「相当」がつくか・つかないかでは大きく意味が違います。

耐震性能は耐震等級3に相当するものを有しているが、正式な認定をうけていないものです。

僕の中では耐震等級3くらいの強度がある「はず」、くらいの認識です。

個人的には数千万の買い物をするんだから、仮に等級2などであってもしっかり性能を担保してほしいなと思ってしまいますね。

当然認可を受けていないので、3相当であればコストは下がる傾向にあると思います。

このあたりは各施主さんの方針によって、受け入れられるかどうかが変わる部分かなと思います。

ちなみに耐震等級をしっかり認可してもらっていると、地震保険が安くなるようです。

また耐震等級3相当のままでは長期優良住宅の認定もうけられないようです。

他にも相当が付くだけで変わる部分があるので、もし選ぶのであればしっかりその違いを把握しておくと良いかもしれません。

最近はどのメーカーさんも制振装置について言及していますね。

耐震が家を壊しにくくする「強度」であるなら、制振は揺れを吸収する「減衰」の役割を果たします。

よく勘違いされますが、制振はあくまでも補助。

制振装置があるから耐震性能は低くても安心!というのは少し認識が違うと思います。

主にダンパーや金物などを用いて揺れを吸収します。



制振装置の効果としては

このようなものが挙げられます。



家は建てて終わりではないですし、補修費用などもかからないほうが安心ですよね!

僕が選んだメーカーは耐震性能3に加え、制振ダンパーが標準でついてくるそうです。

万が一大きな地震がきても倒壊の恐れは低いですし、家自体へのダメージもある程度抑制してくれていると安心できます。

僕はつい最近、能登半島地震を体感しました。

もちろん震源地近くではなく、少し離れたところです。

それでも震度5くらいの揺れを体感しています。

正直、震度5でも家が倒れるんじゃないかと思うくらい揺れを感じました。

外から家を見ていたのですが、目に見えて建物が揺れていました。

地面もアスファルトの隙間が開いたり閉じたりするのが見えました。

震度7ってどういう世界なんですかね……



とりあえず、実体験として大地震を目の当たりにしています。

それまでは地震がほぼないような場所でしたので、耐震性能はあればいいかなと思う程度でした。

でもいざ体感すると、絶対無視できない性能だなと感じています。

安心感もそうですし、あれほどの揺れだと確実に家もダメージを負ってしまいます。

長く住むとなればそういう災害の可能性も上がりますし、万が一地震がきてしまうと補修費用などもかかってしまいます。

コストも大事です。

でもやっぱり家って『安心して帰れる場所』であるべきだと思ったのですね。

なので僕はメーカー選びの際に耐震等級3・制振ダンパー付きというところに魅力を感じて今のメーカーを選びました。

これじゃなきゃ絶対ダメ!とは言いませんが、是非みなさんもどれくらいの耐震性能がほしいか真剣に考えてみてほしいかなと思います。

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